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耐震対策が必要とされる建物の見分け方

耐震診断と既存不適格建築物

建築時には適法に建てられた建築物であっても、その後、法令の改正や都市計画変更等によって現行法に対して不適格な部分が生じた建築物のこと既存不適格建築物と呼びます。まれに現存不適格と呼ばれる場合もありますが、建築基準法は原則として着工時の法律に適合することを要求しているため、着工後に法令の改正など、新たな規制ができた際に生じるものです。

そのまま使用していてもただちに違法というわけではありませんが、増築や建替え等を行う際には、法令に適合するよう建築しなければなりません(原則)。当初から法令に違反して建築された違法建築や欠陥住宅とは区別する必要があります。

耐震診断とは、1981年(昭和56年)以前の旧耐震設計法の基準で建てられた建物に対して、現行の耐震基準によりその耐震性を再評価するものです。診断により十分な耐震性能を保有していないと評価された建物は、既存不適格建築物とされ適切な耐震補強を行うことが求められています。

 

注意すべき建築物

その1 ―― 構造上の難がある建物

1階の壁が少なく上階では壁が多い建物や、壁が遍在する建物など、構造上のバランスが悪い建物は既存不適格建築物となる場合があります。
具体的には、1階部分に駐車場やピロティがある建物などが当てはまります。

その2 ―― 多数の者が利用する建物

1981年(昭和56年)以前に着工・建築された建物のうち、マンションなどの共同住宅を除く建物で3階建て以上、床面積1000㎡以上の特定建築物(学校・病院・劇場・百貨店・事務所・老人ホーム・商業ビルなど)が当てはまります。

その3 ―― 築30年以上の建物

現行の耐震基準(新耐震基準)では、極めて稀にしか発生しない大規模の地震(震度6強から震度7程度)に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目標としています。しかし、1981年(昭和56年)以前の旧耐震基準で設計され現行の法律の適用を受けていない建築物は、当時の法規によって確認されたものですので「法違反」とはなりませんが、「既存不適格」ということになります。

不安に思ったらすぐにご連絡ください。

 

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